早稲田と20000V

 夕方、友人に誘われて早稲田の学園祭に斉藤和義を観に行った。彼のステージアクトと言うか、ギターの弾き語りに漂う雰囲気であるところの少しでもハズすことができない抜き差しならない感じが、かなり良かった。ヤルかヤラレルかの、まさしくギター侍っていう風情。それに歌詞も興味深くて、露骨に表現しているのから見え隠れするのまで常に性が盛り込まれていて、それを性が渦巻く大学という場で演奏することは意義ある面白味であったと思う。あと、観客からサイトウでもカズヨシでも無い声援が飛んでいたので不審に思い友人に尋ねると、その声援はセッチャンと呼んでおり、それはどうやら彼の学生の頃の渾名らしく、彼があまりにもセックスしたいと言い続けたことがその由来らしい。おもしれえなー。


 明日、体制からあぶく銭をかすめ取ることができるので、今夜は豪華に20000Vにライブを観に行った。
トップのViViSICKは、開演時間オシまくりで鬱積された客のフラストレーションを見事に爆発させて解消へ導いていた。高音で叫びまくるボーカルは、容姿も含め、魅力的ですらある。目下最新のSplitからの選曲が多めだった。この演奏終了の時点でフロアはライターに火がつかないくらいの酸欠状態。
次はハジけるようなHARDCORE/PUNKを聴かせてくれたSHIT-FACED。初めて観たけれど惹き込まれるように見入ってしまった(往年のクラシックのサンプリングも良かった)。
FREAKSは以前観た時より1.5倍くらい気合がはいっていて速い速い。
STRUGGLE FOR PRIDEは演奏も勿論そうだけど客側も含めて全体でエライことになっていた。ステージングは、観客との相互作用によっても作り上げていけるものだと思い知った。音はいつもより判然としていて単純に心地よかった。
そして、特に強調したいのがSENSELESS APOCALYPSE!! ヤ・バ・ス・ギ・タ!! 彼らには失礼かも知れないけど、あれぞまさにFASTCOREだと思う。音楽のジャンルの極度な細分化に付きまとう曖昧さ、つまり客観的にしっかり区分することなんてできないことが多いけど(THRASHとFASTCOREの違いとか)、彼らこそ正真正銘のFASTCOREだと言いたい(彼らは不名誉に思うかも知れないけれど……)。おもいっきり振りかぶって、剛速球。時折チェンジアップ。でもやっぱ超剛速球。衝撃的って言葉はこういう時に使うんだな、と思った。
残念ながらMELT-BANANAはボーカルの音が弱めだったりで前回ほど冴えてはいなかったけれど、webで公開している2曲を2曲とも演奏してくれたので楽しくノレた。今回観ても思ったけれど、あの退廃的な近未来のような雰囲気は唯一無二だ。ギターの人の足元に転がっていたiPodがどういう役目を果たしていたのか最後まで解らなかった……。
フロアの酸欠甚だしい中、NICE VIEW。前半は期待よりもこじんまりした印象を受けたけれど涅槃に近づくに連れ、どんどんヤバくなっていった。余談だけど、20000Vの入り口までの階段のところで前から来る人がここ↓で観た服と同じやつを着ていたので、初めて会ったにも関わらずすぐにナイスビューの人だと解った(笑)。http://www.reimeika.ca/aku/katteni/jmainf.html
トリのNO VALUE、かなり穿った観方だけど、女性ボーカルはそれだけで魅惑的で素晴らしい。演奏は終始FASTながら、メリハリが利いていて良かったように思えた。